時は昭和、地方名家・當間(とうま)家の跡取りとして厳しく育てられてきた育郎(いくろう)。
腹違いの兄・蘭蔵(らんぞう)への嫌悪感を抱きつつ、幼い頃から仕える使用人・深山典彦(ふかやまのりひこ)に全てを許し――!?
著者 | 彩景でりこ |
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レーベル | on BLUE comics |
出版社 | 祥伝社 |
試し読みあり
下記よりネタバレあり。ご注意ください。
全体評価
物語 | |
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絵柄 | |
助平 |
カップリング
闇深使用人・深山典彦×美麗御曹司・當間育郎
ネタバレ感想
『第1話 當間蘭蔵』=人を惑わすカマキリ
地方名家の御曹司・當間育郎(とうまいくろう)は幼少期、座敷牢に匿われる妾腹の兄・當間蘭蔵(とうまらんぞう)をのぞき見。
そこには実の父といかがわしい関係になっている蘭蔵の姿が…!!震える育郎は、蘭蔵の妖艶な姿に心をかき乱されます――。
――そして十数年後。エロオヤジの父が急逝。跡取りとして立派に成長した育郎は、使用人の深山典彦(ふかやまのりひこ)を傍らに、父の葬式を執り行います。
ところがその場に座敷牢から脱走した蘭蔵が乱入!意味不明な言動で暴れ、葬式は一時騒然となります。
激高した育郎はその晩、蘭蔵を殴り…自分も父のように蘭蔵に惑わされまいと心に固く誓います。
『第2話 當間育郎』=自制心の塊
葬儀のあと、座敷牢から出て屋敷内で生活するようになった蘭蔵。少し知的な障害があるせいか、身の回りのことができないので典彦が世話をしています。
そんな蘭蔵を見て無害だと分かっていても、コイツに両親をめちゃくちゃにされたと思っている育郎。事あるごとに無抵抗の蘭蔵を殴ります。
しかしそこには“蘭蔵の誘惑に屈しない”という自制心もあって…。蘭蔵を殴ったあと、育郎のカラダは火照ります。
すると典彦が現れ「触って差し上げましょうか?」と、言葉巧みに育郎の自制心に付け入り…。自家発電の手伝いをしてやります。
『第3話 深山典彦』=残酷サイコパス
――使用人・典彦の学生時代の回想。サイコパスすぎて普通の色恋に興味がなく、典彦は育郎の母とカラダの関係を持っています。
しかも育郎の母は、夫が妾腹の息子・蘭蔵と情事にふけっていることで精神崩壊。典彦に依存していくうちに、ついに命を落とします。
そして育郎が母の死を悼んでいる姿を見て、今度は息子の育郎も“壊したい”衝動に駆られる典彦。マジでヤベェ野郎です。
『第4話 西浦健一』=正義感ヒーロー
當間の屋敷がある地域の郵便配達員として働く西浦健一(にしうらけんいち)。白人との混血、というだけで周囲から疎まれています。
そんなある日、屋敷の人間にぞんざいに扱われている蘭蔵と遭遇。自分と同じく周囲から孤立している蘭蔵を庇う健一は、育郎と口論に!
結果、育郎から蘭蔵の世話を任された健一。蘭蔵とのふたりきりの生活が始まり、一瞬で蘭蔵の誘惑に惑わされてしまいます。
擦りむいた蘭蔵の足を舐め「ボクがあなたを命に代えても守る」と、正義感マックスな健一なのでした。
『第5話 育郎と典彦』育郎少年、男でイクロー
當間の家のため見合いをする育郎。傍に張り付く典彦は今宵もジリジリと育郎に付け入り、イケナイ行為に誘い込みます。
ちなみに典彦が育郎に手を出したのは、育郎が初めて精通を迎えた頃。“自家発電の手ほどき”と託けて育郎にキッスします。
育郎もその行為が普通じゃないことは分かっていながらも、ホモい行為にのめり込み止められず。
ズルズルと典彦との関係は続き、大人になった現在ではスマタまで許すほどになっています。
『描き下ろし 触れる』
どうやら育郎が典彦にカラダを許すのは、ホモい行為に興味がある!だけではない模様。
大人になっても典彦に触れられたいがために髪を切ってもらったり、典彦に触ってもらう理由を探しています。
まとめ
戦後の昭和が舞台のドロドロ系BL。そんじょそこらのサスペンス劇場より暗いです(笑)
ヤバイほどの典彦のサイコパス具合と、根暗美人の育郎が不思議とマッチしてます。1巻ではスマタまででしたが、2巻ではおそらく育郎の尻は無事では済まないでしょう。(期待)
試し読みあり