著者 | はらだ |
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レーベル | on BLUE comics |
出版社 | 祥伝社 |
試し読みあり
下記よりネタバレあり。ご注意ください。
全体評価
物語 | |
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絵柄 | |
助平 |
カップリング
人生を諦めた中年男・幸紀×記憶喪失ツンデレ天使
ネタバレ感想
このお話は『変愛[ヘンアイ]【ネタバレ感想】はらだ』に収録されていた「止まり木」を、はらだ先生自身がリメイクしたものになります。

『#1「であい」』空から舞い降りた天使
汚くて狭いワンルームアパートに住む幸紀(こうき)は、自分で「生きる価値なし」と言い切る人生諦めモードの中年男。希望のカケラもありゃしません。
そんなある日、幸紀はいつものように死んだ魚の目でコンビニでバイトをしていると運悪くチンピラに腹を刺されてしまいます。
すると天使のような姿の少年が空から降臨!!それを見た幸紀は出血多量で意識が吹っ飛び「やっとお迎えが」と、少し期待します。
ところが命を取り留めた幸紀は一ヶ月で退院。コンビニバイトもクビになって最悪な状態でアパートに戻ると、部屋でくつろぐアノ天使を発見!!
しかも記憶喪失らしい天使は「天使の羽で飛べるようになるまで付き合ってください」と、幸紀の部屋に居付く気まんまんです。
『#2「ふたり」』欲しい言葉をくれる天使
天使との共同生活が始まっても、不幸から抜け出せない幸紀。その人相の悪さから新しいバイトもなかなか決まりません。
でも天使は幸紀の人の良さをちゃんと理解。金欠でも、せっせと世話を焼いてくれる幸紀と兄弟のように仲良くなります。
そして「良い人ですね」と天使に言われて、嬉しさを隠し切れない幸紀。
『#3「てんし」』俺の天使
共同生活が始まってしばらく経った頃「そろそろ記憶を取り戻して天界に帰ろうかな~」と言い出した天使。これに幸紀は、なぜか乗り気にならず。
それでもしぶしぶ天使の記憶の始まりの場所(幸紀がチンピラに刺された場所)に、天使を連れていきます。ところがそこでまたチンピラに喧嘩を売られた幸紀。
天使を守るために仕方なくチンピラをタコ殴りに。しかしこの残虐な行為を目の当たりにして、天使の羽は大量に抜け落ちてしまいます…。
そして天使よりも幸紀の方がショックを受けて「ごめんな」と、天使の羽に顔を埋めて謝ります。
『#4「こうき」』懺悔したい過去の話
天使が可愛くって暇つぶしのオモチャにと、スマホを買ってあげた幸紀。これは完璧に天使を繋ぎとめておきたいソクバッキー的なアレです。
そんなある日、幸紀のママが登場。チンピラに刺されて求職中の幸紀に見舞金を渡してきます。
天使は隠れてそれを見守っていましたが、ママとの会話に出てきた幸紀の弟の話が気になります。そして幸紀に事情を聴いてみると…。
「数年前、うまい話に乗って調子こいてたらヤクザに捕まった――」と、話しだした幸紀。しかもその代償に弟がヤクザにされてしまったと懺悔します。
落ち込む幸紀に「あなたは悪くない」と、幸紀が望む優しい言葉をかける天使。元気づいた幸紀は職探しに出掛けます。
『#5「なみだ」』本当は天使なんかじゃなかった…
アパートでひとり待っていた天使は、スマホで気になるニュース記事を発見!幸紀がチンピラに刺された現場に向かいます。
そして自分が天使ではなく“同じ場所同じ時間に自殺した男子中学生”だと知った天使…。帰ってきた幸紀に「本当は知ってたんですね」と尋ねます。
これに幸紀は精一杯優しい返事で天使を慰めヨシヨシ。そして天使の死の真相を突き止めるべく、自殺した男子中学生のパパの家へ行くふたり。
しかし男子中学生のパパの話を聴いて、記憶は戻らないものの「自分のパパだ」と確信した天使。すかさず幸紀は天使を抱き寄せ慰めます。
和やかムードに戻ったところで、男子中学生のSNSの裏アカウントを発見したふたり。早速見てみることに。
『#6「きおく」』天使になって人生を謳歌
――裏アカから判明した男子中学生(天使)が自殺した理由。
学校でA君というガチホモに狙われていた男子中学生。しかし不慮の事故でA君が亡くなってしまい、たまたま一緒にいた男子中学生が非難の的に。
憔悴しきった男子中学生は、幸紀がチンピラに刺されたあの場所あの時間に飛び降り自殺します。
――という詳しい過去を知ったふたり。帰る場所がなくなって落ち込む天使に「そばにいてほしい」と、幸紀は気持ちを伝えます。
これにツンデレ天使もついにデレて幸紀に抱き付きギュ!いままで不幸だったぶん、ふたりは色んなところにデートに出掛け遊びまくります。
『#7「 」』もう「生きる価値なし」じゃない
そうこうしている間に幸紀は新しい仕事が決まり「一緒に地方に付いてきてほしい」と、天使にプロポーズ。よく笑うようになった天使はもちろんOKします。
そして何気ない会話でいままで優しくしてくれた幸紀へ感謝する天使。しかし「ありがとう」と、言い残して消えてしまいます…。
愛しすぎた天使が突然いなくなりボロボロになる幸紀。天使が与えてくれたもの、自分が与えられたもの思い出し涙が止まりません。
でもいままで「生きる価値なし」と思っていたのが嘘のように、天使のおかげで前向きになった幸紀。天使の形見の羽を大切に胸にしまい、天使のぶんまで生きます。
『#8描き下ろし「であい」』
おそらくお亡くなりになった幸紀に、天界で待っていた天使がツンデレに話しかけるアフターストーリー。
ニヤニヤが止まりません。
まとめ
あのはらだ先生にエ●要素がない…だと…!?でもなにこの読んだあとの幸福感!!
BLもついにここまできたか…。と、感無量になった作品でした。はらだ先生の良い意味での異端児っぷりが爆発したんじゃないでしょうか?
読んで3ページ目には、もうはらだワールドです(笑)
試し読みあり