ガチゲイの瀬田航(せたわたる)は、後輩の慎太(しんた)に長年片思い中。
でも慎太がノンケなのを理由に告白はせず、友人関係に落ち着いていたが――!?
ほか、『ラブはどこへいった』『犬に餌づけをする時は』を収録。リアルなゲイの世界を描いた短編集!
著者 | 日塔てい |
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レーベル | B’s‐LOVEY COMICS |
出版社 | KADOKAWA(エンターブレイン) |
試し読みあり
下記よりネタバレあり。ご注意ください。
全体評価
物語 | |
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絵柄 | |
助平 |
カップリング
『お前がバカを言いだす日には』『そういや俺もバカだった』
無神経ノンケ(後輩)・慎太×健気なガチゲイ(先輩)・瀬田
『ラブはどこへいった』
ダンディズムなノンケ・小野寺×ノンケ嫌いのガチゲイ・千葉良平
『犬に餌づけをする時は』
ワンコ系バイ・宮垣耕太×料理上手な強気ガチゲイ・正
ネタバレ感想
『お前がバカを言いだす日には』“お試し”から始まるお付き合い
ノンケの後輩・慎太(しんた)に長年片思いしているガチゲイの先輩・瀬田航(せたわたる)。そうとも知らない慎太は、瀬田の家によく遊びに来ます。
そんなある日「俺、ゲイかもしれないからゲイ友達紹介してよ」と瀬田に願いする慎太。しかも瀬田とは正反対の、小さくて華奢な男子をリクエストします。
内心キレる瀬田ですが、惚れた弱みで何も言えず…。しかしそのせいで悩んで飲み過ぎてしまい、酔った勢いで「俺と試しにレッツトライしねぇ?」と慎太を誘います。
しかし慎太はその気になってくれず、瀬田はついに長年の片思いを告白。そして慎太から離れようと突き放しますが、慎太はこの健気さに胸キュン!
告白の返事はさておき“試しにレッツトライしてみよう”という気分になって、瀬田を押し倒します。瀬田は気持ちを弄ぶような慎太にちょこっと幻滅。
でもこれもまた惚れた弱みで何も言えず…押し切られるように慎太に抱かれる瀬田。ところが情事後、慎太から告白OKの返事をされます。
『そういや俺もバカだった』お付き合いしたからには束縛したい
こうしてお付き合いが始まった慎太×瀬田。ところがイチャラブしていても慎太がしかめっ面、なぜか怒っています。
理由が分からない瀬田は夜のサービスを頑張り、OMOTENASHIしますがそれでもダメ。余計慎太の機嫌が悪くなります。
そんなとき、慎太から「瀬田ん家の合鍵くれ」と言われた瀬田。でもイマイチカップルになった実感が沸かない瀬田は「俺たち付き合ってんの?」と返事します。
すると「くたばれクソ●ッチ」とキックを食らった瀬田。おまけに「節操なし」とまで罵られてたもんだから「慎太と付き合うまでバリタチだったわ」と、瀬田も反論。
慎太のためにネコ役に転身したことを打ち明けます。これに慎太カンゲキ!!いままで瀬田のことをとんだネコ●ッチだと思い込んで不機嫌だったのもスッキリ解消。
これからは恋人の瀬田の尻を自分好みに開発していこうと、超ご機嫌になるのでした。――END.
『ラブはどこへいった[前編]』ノンケ相手に本気になりたくない
大学生の千葉良平(ちばりょうへい)はガチガチのゲイ。高校生のときノンケに告って玉砕した経験から、大学生になってからは奔放に性を楽しんでいます。
そんな良平のバイトはキャバクラのボーイ。「ゲイだからラク~」と始めたバイトでしたが、そこでダンディズムなイケオジ客・小野寺(おのでら)に目を奪われる良平。
でも相手はノンケ…良平は苦い過去が蘇り引き下がります。ところがキャバ嬢にゲイであることを小野寺にバラされた良平。ジロジロ見てくるようになった小野寺に、恋心は一気に沈静化。
自ら小野寺と一線を引き関わらないようにします。しかし良平に興味が出てきた小野寺は、良平が奔放に性を楽しむ場所=ゲイバーにまで着いてきて良平を口説いてきます。
興味本位で近づいてくる小野寺に苛立つ良平はこの誘いに乗り、ゲイバーからホテルに直行します。
『ラブはどこへいった[中編]』中編すべてイチャラブ
着いて早々“一夜だけの関係”と決め込んだ良平は、小野寺をお誘い。これに初ゲイ体験の小野寺も楽しんで乗っかります。
しかし行為中、小野寺が女性と比べるような発言をしてムッとする良平。やっぱりノンケ相手なんて不毛だ…!!と胸が痛い(尻も痛い)です。
『ラブはどこへいった[後編]』ノンケとかゲイとか関係なく好き
結局小野寺にグズグズにされた良平。翌朝、一生バイバイのつもりで小野寺と別れようとしますが、小野寺は名残惜しそうに良平の手を放しません。
ところがそれから一週間、小野寺から音沙汰なし。「こんな事になるなら、最初から見てるだけで良かった…」と、小野寺への熱い想いに気付いた良平。
すべてを忘れるため行きつけのゲイバーに男漁りに行きますが、そこで小野寺と遭遇!ほかの男と話をする小野寺を見た良平は「俺じゃなくても、男なら誰でもよかったんだ」と撃沈。
急いで良平はゲイバーを後にします。しかし小野寺に速攻捕らえられ「好きだから追いかけて来たんだ」と、実は良平を待ち伏せしていたとネタバラシ。
そしていままで良平から熱い視線で見つめられていたことに気付いていた小野寺。「君ほど俺を好きになってくれる子はいない」と言いつつ、良平を自宅へお持ち帰りします。――END.
『犬に餌づけをする時は』ワンコ系男子は食事で釣るのが◎
大学生の宮垣耕太(みやがきこうた)は、バイト先のカフェの常連客・正(ただし)に片思い中。ワンコ系男子の耕太のために食事を作ってくれる年上の正にメロメロです。(ちなみに耕太はバイ)
正も強気な性格とは裏腹に、懐いてくる耕太にポッ、かなり嬉しそうです。そんなある日、正がガチゲイなのを見破ってしまった耕太、「正くんって男に抱かれてそう」と口走ります。
でも正が男がイケる口だと分かっても、耕太は犬程度にしか見てもらえず…。勢いにまかせて正を襲ってしまいます。
しかし一線を越えて非常に気まずくなった耕太、後日 意を決して正の家に行きます。するとそこには耕太用に作っておいた料理があって…!!
嬉し泣きする耕太は「犬扱いでもいいから、正くんが好きだぁ」と告白します。これにようやく正がデレて…耕太の“待て”は解除されるのでした。――END.
『あとがき』
各お話の詳細設定。各お話のキャラがほかの話でも繋がってるのって、ホントわくわくすっぞ。
まとめ
3つのお話すべてがノンケとゲイの恋物語。リアルなゲイの世界だからこそ、ノンケとゲイの間にはとてつもない距離があることを知りました。(白目)
ちなみに、ちょいちょいBLに出てくるゲイバーを覗いてみたい願望が日々増しています(笑)ドローンでも飛ばしてみるか…。
試し読みあり