ふたたび義兄弟の契りを交わし、互いを想い合う気持ちが深まった卍(まんじ)と百(もも)。
しかし百は、卍にどうしても言わねばならないことがあった――。
甘く切ない、江戸時代が舞台のBLラブロマンス第四巻。
著者 | 紗久楽さわ |
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レーベル | onBLUE comics |
出版社 | 祥伝社 |
試し読みあり
下記よりネタバレあり。ご注意ください。
全体評価
物語 | |
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絵柄 | |
助平 |
カップリング
『第二十四話 美人水』『第二十五話 冬場所』『第二十八話 冬茜』
元火消しの美形笛吹・卍(万次)×とにかく明るい元陰間・百(百樹)
『第二十七話 首ったけ』
元火消しのマッチョゴリラ・千×美形船頭・兆
『番外編 十五夜懺悔』
十五夜のまわし・七松×絶世の美少年陰間・十五夜
ネタバレ感想
『百と卍(1巻)』『百と卍(2巻)』『百と卍(3巻)』の感想はコチラからどうぞ。



『第二十四話 美人水』美人水を卍に
ヘチマから美人水(※化粧水のこと)を作っている、とある女のコ。ある日、百(もも)に「美人水を分けてほしい」と言われて友達になります。そして明るく男らしい百に惚れた女のコは、百のことを想うように。
しかし実際はバリバリホモの百。恋人の卍(まんじ)とイチャイチャするときは、まるで女子のようになって卍とハッスルします。
そうして女のコも、次第に百が男色家だと気付いていき…。「それでもイイから付き合って」と告白します。でも百の返事はNO。「卍兄ィと契りを交わしたから」と、優しくお断りします。
代わりに百は、女のコの恋の先生に。持ち前のフレンドリーさで、以後も女のコとズッ友の関係になります。
『第二十五話 冬場所』相撲=男色
幼い頃から、大の相撲好きの卍。初めてナマで相撲を見るという百を連れて両国にやってきました。
そして目の前で裸の男二人が、肉と汗をぶつけ合う姿を目の当たりにした百。そのエ●さに思わず鼻血(※反応するのは男色のみ)。
その後すぐに卍とラブホに駆け込みます。んで相撲で興奮した百に、布団の中で相撲のワザをかける卍。「俺も幼い頃、相撲を見て自分が“野郎ぐるい”だと知った」と白状します。
こうして布団での本場所が終わった卍と百。すっかり相撲=男色だと意見が一致します。
『第二十六話 おくや、け、こ』火消し“を組”
卍の火消し時代の仲間たちの現在。卍が去った後も火消し“を組”を盛り立てていく、綱(つな)・金太郎(きんたろう)・貞九郎(さだくろう)・末吉(すえきち)。
「ど~せ死ぬなら兄貴たちンとこで…」と、照れながら言っちゃう金太郎がカワイイのなんのって!火消し同士の絆、めちゃんこ深いです。
『第二十七話 首ったけ』大人しい兆じゃモノ足りない千
卍の尻を狙い続けている千(せん)、四巻でも登場です!火消しを辞めてからヤバめな仕事をしている千は、ちょいとオイタが過ぎて親分に折檻されてます。
千の下僕になった兆(きざし)は、心配そうにただ見守ります。そして折檻後、兆と双子で、亡くなった恋人を思い出す千…。女王様のようなテクで、千をも翻弄する亡き恋人(兆の双子)のことをまだ愛してる様子。
そして目の前にいる双子の兆と比べますが…、大人しい性格の兆では千は満足できず。兆のカラダをイジくり倒しても、やっぱり抱こうとはしません。
代わりに兆を思いっきり罵り、立ち去る超絶ヒドイ男・千。そんなことをされても「あと少しで千のアレに触れた…」と、兆の恋心は募るばかりです。
『第二十八話 冬茜』卍に言いたいことがある百
新しいスウィートハウスに移り住む計画中の卍と百。いつものようにケツ丸出しで、新居となる空き家を探索する百。そして目のやり場に困る卍。平常運転です(笑)
でも百は今日卍に、どうしても言わなければならないことがあるようで…。盛ってくる卍に「新居に移っても…火消し時代の仲間から逃げるのか?」と、卍に問います。
真っすぐな目で、百にイタイところを突かれた卍。覚悟を決めて、過去と向き合うことを決意します。
と、その頃近くで火事が発生!卍は百のいる新居を守るため、現場に急ぎます。そして卍の背中を押してくれた百に「命のために恋は捨てねェ」と、無事に帰ることを約束します。
こうして、卍と百が必死に消火活動をして火は収まり一件落着。ところが卍と百がイチャ付き合ってるところに、卍の火消し時代の仲間たちが現れて…!!卍の顔が凍り付きます。
『番外編 十五夜懺悔』小悪魔美少年、十五夜
今回の主人公は、百の陰間時代の先輩・十五夜(じゅうごや)。絶世の美少年で人気&手管ともナンバー1の売れっ子陰間です。んで、十五夜の“まわし”が七松(しちまつ)という平凡な男。
誰でもメロメロにさせる美貌の持ち主の十五夜ですが、実は売られたばかりの頃は天然痘で醜い顔でした。そんな十五夜でも「俺だけを見て欲しい」と、甲斐甲斐しく世話をしてきた七松。
時にはホモォをバカにするモブをぶちのめし、時にははらわたが煮えくり返る思いで十五夜が客と寝るのを見張り…。ただの陰間とまわしの関係ながら、七松は心底…十五夜に惚れています。
そして数年後、年季があけた十五夜は七松を店から金でお買い上げ。これまでひたすら待っていてくれた七松を恋人にして、陰間から卒業します。エエ話やで。
『描き下ろし 醒と百樹 ふたり旅』
両親が死んで行く当てがなくなった百(3歳)と百の兄。兄弟ふたり支え合って新境地を探します。それがなんで陰間に行ってしもたんや――!!
まとめ
『番外編 十五夜懺悔』で、陰間時代の百が客を逃したことを理由に折檻…お尻ペンペンされています。
「あ~、だから百の尻はあんなにデカくなったのか」と、なぜか納得してしまったワンシーン。必見です。
にしても十五夜が美少年すぎて、パタリロ!に出てきそうな雰囲気(決してパクリとかじゃなく)。小悪魔美少年…、最強です(笑)
試し読みあり