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はきだめと鶴【ネタバレ感想】キタハラリイ

はきだめと鶴【ネタバレ感想】キタハラリイ
あらすじ

映画館で働く澄川螢(すみかわけい)は、毎週日曜日のレイトショーに必ず来る常連客・岡崎準太(おかざきじゅんた)に口説かれる。
しかしカラダの関係になっても、螢は準太とそれ以上の関係になりたくないようで――?

 

 

著者 キタハラリイ
レーベル バンブーコミックス Qpaコレクション
出版社 竹書房

試し読みあり

 

下記よりネタバレあり。ご注意ください。

全体評価

物語
絵柄
助平

カップリング

健気な年下ワンコ・岡崎準太暗い過去があるワケ有り美人・澄川螢

ネタバレ感想

『scene 1』すべてを悟りきっている螢

映画館で働く澄川螢(すみかわけい)は、35歳にしてバイト。しかも実は元ゲイビ男優という、なかなかハードな過去を持っています。
そんな螢はすべてを悟りきったような、まるで生き仏のように穏やかな顔で仕事をしています。
するとある日、映画館のレイトショーで案内係をしていた螢は、一回りも年下の男・岡崎準太(おかざきじゅんた)に口説かれます。
しかし明らかにノンケっぽい純粋そうな準太に引け目を感じた螢…。どうやって自分のことを諦めてもらうか悩んだ挙句、わざと淫売なフリをして準太をホテルに誘います。
そして螢は自分が元ゲイビ男優のバリネコだということを伝え、さっさと幻滅してもらおうとします。ところが準太は螢を抱きながら「すごく綺麗だ」と言って涙を流します。

『scene 2』準太の真っ直ぐな愛

螢と一線は越えたものの、恋人までには昇進できなかった準太。でもそこは惚れた弱み!そんなセ●レみたいな関係でも受け入れることにします。準太、かなりのポジティブ男子。
そしてレイトショー終わりにホテルへしけ込むコースがお決まりになったふたり。コトが済んだらそそくさと帰ろうとする螢に、準太は名残惜しそうに抱きしめます。
しかし毎回あっさり流されてしまう準太…。それでもめげずに螢にラブコールを送り続けます。そして螢の方も準太のまっさらな愛に次第にほだされていき、まんざらでもなくなってきます。
ところがそんな矢先、螢はバイト帰りに元恋人・大野(おおの)というガラの悪い男に声をかけられます。

『scene 3』準太には背負わせたくない

どうやらその大野とは、螢がゲイビ男優時代に付き合っていた模様。そして見た目通りのドクズの大野は、螢に復縁を迫ります。

BL式部
BL式部
無理矢理キスしてこようとする大野の強引さに、螢は最近の非通知着信の犯人はコイツか!?と疑います。

と、道端でホモい修羅場を繰り広げていたら準太が通りがかり、螢は準太を連れてその場を去ります。しかし何も話そうとしない螢に「俺んちに来てください」と、準太は話し合いの場を設けようとします。
そして準太の家に着き、螢は「大野というゲイビ監督と付き合って、金のために3年もオモチャにされた」と、辛い過去の話をします。
しかしそれでも抱きしめてくる準太に「こんな過去、一緒に背負ってほしくない」と、螢は準太からの救いの手を取ろうとせず…。「もう映画館に来ないで」と、置手紙を書き残し準太の家から出ていきます。

『scene 4』螢のことがどうしても好き!

螢に完全にフラれて元気がない準太。一方 螢も準太を大事に想ってるからこそ、大野との事に巻き込みたくない様子。
そして螢は大野と付き合う前、ヤクザの組長に囲われて生活していた頃を回想します。同時にヤクザの組長の舎弟・波柴(はしば)という男の事も…。

BL式部
BL式部
にしても、螢の前のカレシはゲイビ監督で、前の前のカレシはヤクザの組長って…ちょ、濃すぎィ。

こうして準太と会わなくなって暫く経った頃、突然準太が螢の前に現れます。会って3秒で螢と合体した準太は「もう何も話さなくていいから、せめてカラダの関係だけでも…」と涙し「どうしても好きなんだ」と、想いを伝えます。
準太のマジラブ1000%が理解できた螢は、ようやく過去のすべてを準太に打ち明けようと決め、話始めます。

『scene 5』螢の壮絶すぎる過去

――螢の過去話。家出してホストになった螢は、ヤクザの組長に拾われて愛人に。初めて誰かに必要とされた螢は、その組長を純粋に愛します。
でも螢の世話係になった組長の舎弟・波柴は、組長と螢がラブラブなのをヨロシク思っておらず…。螢が浮気していると組長にウソを吹き込み、螢をゲイビ堕ちさせます。
そしてプライベートでも大野にオモチャにされた螢は、5年かかってようやく囲われていた頃の借金を返済、現在に至る――。という、家なき子レベルに壮絶な話を準太に聴かせます。

準太はというと、想像よりはるか上をいった螢の過去に顔面蒼白。さっきの威勢は何処やら、なにもフォローできなくなってしまいます。
そうこうしている間に螢は準太の前から去り、最近の非通知着信の真犯人・波柴に電話します。

『scene 6』もう一度、本気で恋がしたい

波柴と会って話をすることになった螢。いまさら自分を陥れた波柴となにも話すことはないと言い、かつて愛した組長とも今後一切会わないと言い切ります。
波柴はというと、実は昔から螢に心底惚れていたようで…。愛情が憎しみに変わって、螢をゲイビ堕ちさせたようです。BLの神様、波柴に天罰を!!
そして波柴とケリが付いた螢は過去をすべて清算。これからはひとりで生きていこうと決意します。するとそこにあのクズ男・大野参上!また螢に復縁を迫りますが、助けに現れた準太に追っ払われます。
螢はまた会いに来てくれた準太を、自宅に招きます。そしてこの前の壮絶な過去話を聴いてもなお、螢を好きだと言い続ける準太に心を撃たれ涙。もう一度、本気で恋をしようと準太と抱き合います。

『雀の千声 鶴の一声[描き下ろし]』

元バリネコのゲイビ男優・螢のテクニックが拝めます。しかも恋人になった準太にデレまくって激カワ。超ハッピーエンドです。

まとめ

螢の気持ちの持ちようが本当にせつなくて、最初の生き仏のような風貌はこんな壮絶な過去があったからか…!!と、最初のページを見返しました(笑)
強い志を持った受けって、女々しくなくてイイですね。『scene 6』の終盤で、ホロっと泣いてしまいました。良き作品です。

試し読みあり

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